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わたし的おすすめ本!とらじましっぽの読書さんぽ♫

本と映画と音楽と、気になったモノたちを紹介します♫

*スイッチ!/チップ・ハース&ダン・ハース*




「あ〜!この状況をなんとか変えたい!でも、一体どうしたらいいの?」
「このままじゃいけないのはわかってるけど…。」

…誰でも一度はそんな状況に陥ったことがあるはず。

そんな時、思わず何もできない自分を、相手を責めてしまう前に、ぜひこの本を読んで見てください!
ここに書いてあるのは、そんな「変わりたい!」「変えなくちゃ!」という気持ちを後押ししてくれる具体的な方法。

例えば…
「ブライトスポットを見つける」…成功例を集め、そこに共通している部分を調べ、真似をする。
「変化を細かくする」…最初にやるべき行動を小さな一歩に設定して、取り掛かりのハードルを下げる。
「感情を芽生えさせる」…直感的に見て理解する、感じる事ができる方法でアピールする事で、自分以外の誰かの行動を変える事ができる。
「環境を変える」…環境や場所を変えると、変化を起こす事ができる。
「仲間を集める」…人の行動は伝染する。だから、自分と同じ考えの仲間を見つけ行動を広める。

等々、自分自身に変化をもたらすばかりではなく、相手の行動、または大きな組織での決断に至るまで、色々な場面で変化を起こすための具体的なアイデアが満載です。
著者が実際に体験したもしくは知っているエピソードを元に具体例を示してくれるので、説得力があります。

日本では、何かと根性論や自己責任などが問われがちな気風があるように思います。
例えば、だらしないのは本人のせい、成績が伸びないのならもっと頑張ればいい。
会社の業績が悪ければもっと働く時間を増やせばいい…。

そんな意見に出会う時にいつもこう思います。
本当に頑張れば良い変化が訪れるのか?
ずっとずっと頑張り続けた先に何があるのだろうか?
本当に上手くいかないのは当人だけの責任なのだろうか?

物事が上手くいかない時、その原因はさまざま。
何かをいい方向に変化させるにはその原因解明は大事だと思います。

だけど、違う視点で問題解決に向けてのアプローチを示しているのがこの本。
原因はとりあえず置いておき、どんな状況下で人がその行動を変えるのかという事に重点を置いた内容なのです。

例えば、態度の悪い学生たちの行動をもっと好ましいものに変えたい。
この場合、よくありがちなのは、学生たちにお説教というパターン。
…でも、いくらお説教をしたところでほとんどその効果は無いという事も、私たちはよく知っています。
それどころか、さらに反抗的な態度を取られてしまうという最悪のパターンになってしまう事すらあるのです。

では、どうする?
その解決方法はお説教などではなく、人の行動心理をうまく突いたアイデアの数々。
色々なテクニックを組み合わせて、見事、その行動に変化を起こす事が出来たのです。

さて、どんなやり方でいい方向への変化を起こしたのか…。それはこの本を読んでのお楽しみ!

この本を読んだからといって、全てが上手くいくわけではありません。
でも、教育現場で、組織の中で、その他の色々な場面で、誰かを否定する事なしに柔軟なアイデアを使う事で、物事を良い方向に変化させる事ができると知っていれば、「さて、どうやろう?」と前向きに問題解決への道を模索できそうです。

もちろん、この本に書いてある具体的な方法を今すぐに試してみてもいいかもしれません。

上手くいかない時にとかく言われがちな精神論。
でも、精神論だけでは行動は変わりません。
必要なのは、人の行動の特性を知ることとそれを上手く利用したアイデアです!


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*Mommy/監督 グザヴィエ・ドラン*




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壮絶で、悲しくて、愛しくて、そして力強い。
この映画は本当に見る人の心を揺さぶります。

ただし、この映画の真価がわかるのは、自分以外の人の人生を想像し、その苦しみに共感できる人。
自分自身もかつてそうであった、もしくは今、苦しみの中にいる人ならなおさら、この素晴らしい映画の意味を理解することができると思います。

映画の登場人物は主に3人。
15歳でADHDという特性を持つために、感情のコントロールが難しいスティーブ。
自分自身も要領よく生きるのが難しいスティーブの母、ダイアン。
そして、二人の家のそばに住む女性、カイラ。

舞台は架空のカナダ。そこでは発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利が保障されている。

映画のストーリーは、問題を起こし更生施設から追い出されたスティーブをダイアンが引き取りに行くところから始まる。
ダイアンの服装や振る舞いからも、彼女もまた要領よく生きることが苦手なタイプだとわかる。

スティーブとダイアンの二人の生活が始まるが、スティーブの度重なる感情の爆発やそれに伴う行動の暴走に疲れ果てるダイアン。
それに気づいた隣人、カイラ。
見かねて手伝ううちに、彼らは次第に打ち解けていく。

そんなカイラも自分自身の心に問題を抱えているのだが、スティーブとダイアンとの関わりの中で、次第に癒されていく。
しかし、そんな生活も長くは続かず…。

家族間の問題はそこに愛情があるからこそ、難しい。
他人ならば割り切れるが、愛があるから苦しみ、葛藤する。
そして、その問題がなかなか他の人には共感してもらいにくい場合、さらにその苦しみは壮絶さを極める。

スティーブの持つADHDの特性は他の人にはなかなか理解してもらうのは難しい。
時にはその問題行動などから非難の対象になってしまう。
母親のダイアンも個性的な価値観ゆえに世間から孤立しがち。
そして、金銭的にも苦しい生活。
その中で感情の安定しない子供を育てていくという事は、想像を絶する過酷さだ。

そこに現れたカイラ。
ダイアンにとっては大きな救いであり、心の拠り所となっていく。
カイラにとっても、押しつぶされそうな自分の心を救ってくれた「居場所」であったはず。

しかし、ある事件をきっかけに彼らの関係は急展開を迎える。
そして、心揺さぶられるラストへ…。

ネタバレになるといけないので、それ以上は書きませんが、このラスト、見る人の考え方や人生経験によって、受け取り方が変わってくると思います。
ある人には「悲劇」に、ある人には「辛くてもまた立ち上がる力強さ」を感じるかもしれません。

この映画は見る人がどれだけスティーブとダイアンの視点に寄り添うことができるかがポイントになってくると思います。
スティーブの問題行動はダイアンの育て方の問題だと考え、ラストのダイアンの決断を否定的に捉えてしまった人には、この映画の真価は分かりづらいでしょう。
しかし、ダイアンの心の動きを理解できる人にとっては、本当に忘れることのできない映画になるはずです。
彼女の葛藤、苦しみ、そして愛…。
「私たちには愛しかない。」
その意味が深く、そして強く迫ってくるはずです。
私もラストに向けて、涙を止めることができませんでした。

それにしても、20代前半という若さでこんな映画を撮ってしまう監督のグザヴィエ・ドラン。
映像も音楽も本当に素晴らしいの一言です。


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*あん/監督 河瀬直美*




心に深く響いてくる映画を見ました。
この「あん」という映画。
映画の中で、樹木希林さんが演じた徳江さんが頭から離れません。

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縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)。
そのお店の常連である中学生のワカナ(内田伽羅)。
ある日、その店の求人募集の貼り紙をみて、そこで働くことを懇願する一人の老女、徳江(樹木希林)が現れ、どらやきの粒あん作りを任せることに。
徳江の作った粒あんはあまりに美味しく、みるみるうちに店は繁盛。
しかし心ない噂が、彼らの運命を大きく変えていく…。

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…ちょっとネタバレがありますが…。

この映画では主人公の千太郎を始め、中学生のワカナ、そして徳江もみんな自分の生活に問題を抱えながら生きています。
特に千太郎は、この先の人生になんの希望も見出せず、淡々と目の前のどら焼き作りの仕事をこなす毎日。
ワカナも家庭にも問題があり、悩みを抱えています。

そこに現れた徳江。
徳江の作る「あん」の美味しさと、あん作りに向き合う姿勢は千太郎やワカナの心を少しずつ動かしていきます。

しかし、ある出来事をきっかけに徳江が店から姿を消してしまいます。
…それから千太郎とワカナの「徳江の辿った人生」を知る物語が始まります。

この映画の重要なキーワードは「ハンセン病」。
知っている方も多いと思いますが、かつては差別の対象となり、政府による隔離政策などもあり、患者さんたちは非常に辛い生活を強いられました。
治療法が確立されている現代では、もうかつてのような病気に対する恐怖心もなくなり、以前のような差別の対象として見られることも少ないのではと思われます。

でも、この映画を見ればわかるように、そんな現在ですらまだ、病気に対する無知からくる偏見や差別が存在します。
そして、そんな病気に対する無知や偏見が、当事者である徳江さんを苦しめ続けているのです。

でも、この映画で一番強く感じるのは、そんな差別や偏見に対する憤りなんかではないのです。

そんな過酷な人生の中で、徳江さんがどんな風に生きてきたか。
どんな思いを抱え、時にはくじけそうになる辛い人生を生き抜いてきたか。

徳江さんが自分を取り巻く世界をどんな風に感じながら日々を過ごしてきたのか。


「私達はこの世を見る為に、聞くために、生まれてきた。
この世は、ただそれだけを望んでいた。
…だとすれば、何かになれなくても、私たちには生きる意味があるのよ。」


徳江さんが最後にたどり着いた世界を知った千太郎は、それまでの絶望ばかりだと思っていた人生を違った視点から見つめ直す。
そして、その後に千太郎がとった行動は…。

「ちょっと難しそう」「なんか重い内容っぽい」と思ってしまうかもしれませんが、映画の冒頭部分から樹木希林さんの名演技(もうあまりに自然すぎて、演技には見えないのですが)にグイグイ引き込まれてしまうと思います。
そして最後には主人公の千太郎と同じように、世界の見え方が変わっているかもしれません。

ちなみに、ワカナ役を演じるのは樹木希林さんの実のお孫さんである内田伽羅さんです。

私はこの映画をみたあとにドリアン助川さんの原作を読みました。
原作を読むと徳江さんのたどった人生や、性格、あんを作り始めた経緯など、もっと細かく描写されています。
そして、ラストが映画とはちょっと違っていました。

でも、この映画を見て原作小説を読んだ後、まるで心の中に徳江さんが住み着いてしまったように、時々徳江さんの言葉が思い浮かんできます。

こんなにいつまでも心の深い部分に残る映画に巡り会えたことに感謝。
ぜひ多くの人にもこの映画を見て欲しいと思います。


↓こちら、ドリアン助川さんの原作です。



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